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胃ポリープ|種類・症状・検査・治療まで専門医が解説

目次

1. 胃ポリープとは

胃ポリープとは、**胃の粘膜が盛り上がってできる“隆起性の病変”**を指します。
ほとんどは良性ですが、大きさや形態によっては胃がんとの鑑別が必要になることがあるため、医療機関での評価が欠かせません。

特に以下のような所見がある場合は注意が必要です。

  • 20mm以上の大きさがある
  • 短期間で急に大きくなった
  • 表面に凹凸や発赤など、不自然な変化を伴う

胃ポリープは、年齢とともに増える傾向があります。また、ピロリ菌感染の有無によってできやすい種類が異なるという点も特徴です。

  • ピロリ菌陽性:過形成性ポリープ・胃腺腫が多い
  • ピロリ菌陰性:胃底腺ポリープが多い

当院では、内視鏡専門医が胃ポリープの種類を正確に判断し、必要な治療や経過観察を分かりやすくご提案します。


2. 胃ポリープの種類

胃にできるポリープは、大きく次の3つに分類されます。

  • 過形成性ポリープ
  • 胃底腺ポリープ
  • 胃腺腫

大腸のポリープとは異なり、胃ポリープの多くは大きくなっても良性のまま経過することがほとんどです。ただし、ピロリ菌感染を背景に発生するタイプはがん化のリスクが高まるため、注意深い観察が必要です。

● 胃底腺ポリープ

(ここに画像)

  • 中年以降の女性に多い
  • 10mm未満の小さなポリープが多い
  • ほとんどが良性
  • ピロリ菌未感染の方にできやすい

胃酸を抑える薬(PPI・PCAB)を長期間服用している方は、胃底腺ポリープが増える傾向があります。

また、非常にまれですが、下記のような特殊なケースでは注意が必要です。

▷ 家族性大腸腺腫症(FAP)

多数の胃底腺ポリープがみられ、がんのリスクが高くなります。
(ここにFAPの画像)

▷ 胃底腺型胃がん

ピロリ菌未感染胃に発生する新しいタイプの胃がんで、胃底腺ポリープと見分けがつきにくいことがあります。
怪しい所見があれば、生検での診断が必要になります。
(胃底腺型胃がんの画像)


● 過形成性ポリープ

(ここに画像)

  • ピロリ菌感染・萎縮性胃炎が背景
  • 多発することが多い
  • 除菌で縮小・消失するケースが多い
  • 出血しやすく、貧血の原因となる

20mmを超える大きなものでは、がん化の可能性がわずかに存在します

以下の場合は、切除(ポリペクトミーやEMR)を検討します。

  • 出血を繰り返す
  • 大きさが20mm以上
  • 表面が不整、発赤、陥凹がある
  • 貧血の原因になっている

● 胃腺腫

(画像)

ピロリ菌感染による萎縮性胃炎が長期間続くことで発生する良性腫瘍です。胃ポリープ全体の5%程度ですが、以下のような特徴があります。

① 腸型胃腺腫

  • 中高年男性に多い
  • 胃の出口付近(前庭部)に多い

② 胃型胃腺腫

  • 高齢女性に多い
  • 胃体部〜噴門部にみられやすい

腺腫そのものが大きくなるとがん化リスクが高まるため、以下の場合は切除を検討します。

  • 20mm以上
  • 表面の赤み・不整
  • 長期経過で増大している

なお、胃腺腫を認める方は、別の場所に胃がんが発生するリスクが高いため、年1回の胃カメラが推奨されます。


3. 胃ポリープができる原因

胃ポリープの形成には、次の要因が関わっています。

  • 加齢:胃粘膜の変化によりポリープが生じやすくなる
  • ピロリ菌感染:過形成性ポリープ・胃腺腫の主因
  • 胃酸抑制薬の長期内服:胃底腺ポリープが増加
  • 遺伝性疾患:FAP、P-J症候群、若年性ポリポーシスなど

遺伝性の病気では、多数のポリープが見られ、がんのリスクが高くなるため注意が必要です。


4. 胃ポリープの症状

胃ポリープは、ほとんどのケースで無症状です。
しかし、過形成性ポリープのように表面から出血しやすいタイプでは、

  • 黒色便(タール便)
  • 鉄欠乏性貧血(めまい・動悸・息切れ)

などの症状につながることがあります。


5. 胃ポリープの検査・診断

胃ポリープの評価は、**胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)**が最も有効です。

● 胃バリウム検査では不十分な理由

  • 小さなポリープは写らない
  • 表面の微細な変化がわからない
  • ポリープの種類(良性・悪性)を判断できない

バリウム検査で指摘された場合は、必ず胃カメラで精密検査を行うことが必要です。

● 胃カメラのメリット

  • 直接観察で形状や表面構造を詳細に評価
  • NBI(狭帯域光)で血管の異常をチェック
  • 必要な部位を生検できる
  • がんが疑われる場合はその場で治療方針を検討可能

腺腫・早期胃がんの見逃しを防ぐため、拡大観察や色素散布を行い、より精密に確認します。


6. 胃ポリープの治療

胃ポリープの多くは経過観察で問題ありませんが、以下の場合には内視鏡手術を検討します。

  • 出血している
  • 悪性の可能性がある
  • 大きさが20mmを超える
  • 形態が不整でがんの疑いがある

● 内視鏡治療の種類

▷ ポリペクトミー

(イラスト・動画)

小さなポリープを電気スネアで切除する治療です。

▷ EMR(内視鏡的粘膜切除術)

(イラスト・動画)

ポリープの下に液体を注射し、隆起させたうえで切除します。

▷ ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

(イラスト・動画)

がんが疑われる場合や大きな病変に行う高度な治療法です。
当院院長はがん専門病院で多数のESDを行ってきた実績があります。

● 切除後の食事

  • 当日は飲水のみ
  • 翌日からやわらかい食べ物を中心に
  • 1週間程度は刺激物(辛いもの、アルコール)を控える

医師の指示に従い、胃に負担をかけない食生活を心がけましょう。


7. まとめ

胃ポリープは多くが良性で、症状が出ないまま経過することが一般的です。しかし、一部にはがんの前段階となるものや、出血して貧血の原因になるものがあります。

  • バリウム検査でポリープを指摘された
  • ピロリ菌感染の既往がある
  • 過形成性ポリープ・胃腺腫を指摘された
  • 貧血や黒色便がある

こうした場合は、必ず胃カメラによる評価が必要です。

また、ピロリ菌未感染者でも近年増えている胃底腺型胃がん・ラズベリー型胃がんが存在するため、ピロリ菌陰性であっても定期的に胃カメラを受けることが大切です。

胃ポリープや胃カメラについて不安がある方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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